天気の子の伏線や未回収の謎を考察!須賀、凪の裏設定は?人柱や神話など怖い話も!

「天気の子」は、新海誠監督による日本のアニメーション映画で、キャッチコピーは「これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語」です。

今回は「天気の子」の伏線や未回収の謎を考察します。また、須賀や凪の裏設定、人柱や神話などの怖い話も紹介します。

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「天気の子」の伏線や未回収の謎とは?

「天気の子」には、いくつかの回収されていない伏線や謎があります。

伏線が未回収だともやもやした感じが残る人もいるようですが、新海監督の作品には視聴者に想像させる部分がありますので、その点も含めて面白い作品となっていると思います。

①なぜ銃がごみ箱に捨てられていたのか?

家出してお金のない帆高は、野宿をしています。

その時チンピラにからまれ転倒し、その際ごみ箱に突っ込みます。そこで紙袋を拾い、その中には拳銃が入っています。

いくらなんでもごみ箱から銃が偶然にも出てくるというのはレアケースなので、多少の合理的な理由を知りたくもなります。

映画の中では、警察の会話のシーンで警察関係者が捨てた銃であることが明らかになっています。

警察が銃を紛失するとなると大事件です。小説にもその辺の理由は記載されていませんので謎のままです。

帆高が銃を撃つまでの流れを作るためのものなので、そこまで理由は重視されていないのかもしれません。

②圭介が帆高と同じ船に乗っていた理由

帆高は神津島から東京に向かう途中のフェリーで圭介と出会います。

しかし、神津島なんてよほどの理由がなければ行く島ではありません。

いくつかの理由を考えることができますが、映画や小説には、理由は書かれていません。

1つとしては、圭介に関係する人の親戚やお墓があるということです。ただ、圭介のサバサバした性格から親戚との付き合いが頻繁にあるとも考えにくいので、あるとすれば亡き妻に関連したものかもしれません。もしかしたらお墓があって、命日か何かの帰りだったのかもしれません。

2つ目としては、圭介はライターですので、取材として神津島を訪れていたのかもしれません。

3つ目としては、圭介そのものが神津島出身だったということも考えられます。もしかしたら、帆高にあそこまで親切にしてくれたのには、そういった経緯が隠されているのかもしれません。

③帆高が廃墟ビルに逃走するとき、圭介はなぜすでに廃墟ビルにいたのか。

警察に拘留されていた帆高は、陽菜に会うために逃走して廃墟ビルに向かいます。

すると、すでに圭介が先回りして廃墟ビルに現れます。圭介が廃墟ビルに向かった理由としては、次のようなものが考えられます。

 

1つとしては、陽菜が姿を消してしまった夜、東京中の人は陽菜が廃墟ビルから昇天していく夢を見ています。

これはファンタジーなのですが、それを圭介が見ているとすれば、陽菜と廃墟ビルがつながっているという仮説を圭介が立てていたとしてもおかしくありません。それは特ダネでしょう。

そこで圭介は、廃墟ビルを常々マークしていたと考えられます。

帆高が警察署から逃げたことを知れば、そこに現れることを予測するのは妥当です。

 

2つ目の理由としては、多少強引ですが、亡き妻が陽菜と似たような力を持っていたということです。そのため、廃墟ビルの屋上が亡き妻とのつながりがあることを知っていた可能性があるということです。

圭介は、人柱についてかなり肯定的な意見を述べているシーンが小説に出てきます。

もちろん怪奇現象などを取材している人間なので人柱についてそのような意見を持っていることもわかりますが、「人柱のような人間はいつでも必ずいるものだよ」とそのセリフにはどこか悟ったようなふうがあります。

もしかしたら、圭介の亡き妻も人柱のようなものになったのかもしれません。

④圭介の妻の死因

圭介の姪の夏美が、「(圭介の)妻は、数年前に事故で亡くなった。」と述べています。

そしてその頃の話は「複雑で話すには重すぎる。」とも述べています。どのような事故だったのかは気になりますよね。

このような言い方は、妻もまた晴れ女のような力を持ち、人柱になったのではという仮説を裏付ける発言にもとれます。もしかしたら、圭介が追う怪奇現象に関連したものに巻き込まれていたのかもしれません

ただ、夏美が晴れ女の存在を知るのは占いのおばあさんの取材が初めてなので、「事故死」といった内容は、晴れ女ではない複雑な内容なのでしょう。

圭介は娘を喫煙を理由に離されてしまっていますが、深い理由が何か絡んでいるのかもしれません。そして、妻の死は、怪奇的な何かに近づいたための死なのかもしれません。

須賀や凪の裏設定について【天気の子】

圭介は、大人の雰囲気を持つとともに、どことなく無責任なやさぐれたライターという雰囲気もあります。

そんな圭介は、帆高を引き受けたり、妻や娘、姪との関係性が明らかになるにつれ、圭介の醸し出す雰囲気の意味がわかってきたり、人間的に厚みのある人間であることがわかってきます。

しかし、そんな圭介のすべてが映画の中で明らかになるわけでもはなく、最後まで謎の部分もあります。

そんな謎の部分は裏設定としてあります。

 

警察が帆高を探すために圭介のところに聞き込みに来た時、圭介は不意に涙を流します。

このシーンから圭介の裏設定を考察することができます。

帆高のことを本当に大切に思っていたということで、ただのフェリーで知り合っただけの家出少年という関係ではないと考えられます。帆高の出身地の神津島と関連しているのかもしれません。

帆高と同郷であったり、亡き妻が神津島に眠っているとか、帆高の失踪から自分の人生のある部分を思い起こさせるようなものがあると考えられます。

 

また、圭介の左手の指輪が映し出される重要なシーンが何度かあります。

重要な場面でこのシーンを何度か出すということは、天気の子の中で亡き妻は重要な人物であることを象徴しているように感じられます。

また、圭介の娘は雨の日は喘息で外出できない、という設定も、もしかしたら娘が生死をさまようような出来事があって、妻が人柱的なものになったおかげで娘は、一命をとりとめたのかもしれません

そういったことから、圭介の妻は晴れ女であったという裏設定も否定派できないです。

もしくは、晴れ女の陽菜に自分の妻を重ねるような出来事が圭介の身の回りで過去に発生しているのです。

 

次に凪の裏設定です。

新海監督は、凪というキャラクターでかなりの遊び要素を入れています。

凪は、バスの中で2人の女の子と会話をするのですが、とても小学生とは思えない会話をします。当初、姿が映し出されずに声だけなので、大人の会話かと勘違いしてしまいます。

凪は、女性を喜ばすことに秀でたスキルを持っています。帆高は、そのスキルに対し「凪せんぱい」と呼ぶようになります。

その2人の女の子は佐倉アヤネと花澤カナで、のちのち警察から凪らが逃げるときに手助けしてくれる2人です。

2人の設定としては、アヤネは小学校5年生で凪の1つ上で、凪の元彼女なのです。

また、カナは今の彼女で小学校4年生です。

そしてなんと、2人の声優さんは、女の子と同じ名前なのです。

佐倉アヤネを佐倉綾音が、花澤カナを花澤香菜が演じています。

人柱、神話などの怖い話【天気の子】

「天気の子」に出てくる「人柱」というのは、昔、難しい工事をするときなど難工事の成功を祈って神にいけにえとして生きた人間を神や魔物に差し出すため水に沈めたり、土に埋めたりしていたことです。

他の多くの人を生かすために1人の人間を犠牲にするというものです。人身御供とも言います。

 

そして、新海監督は諏訪の出身です。「君の名は。」でも諏訪を舞台にしています。

諏訪大社の御柱祭りでは、現在は、柱をいけにえに見立てて神前に捧げていますが、古代では人柱をいけにえにしていたそうです。

通常、神社では御神木は大切に運搬されますが、諏訪大社のお祭りでは、引きずり、川に放り込み、傷だらけにします。だから御神木ではなく、御贄柱というのです。

そして昔は、人柱がいました。昔は祭りの度ごとに神主を殺す風習があったのです。

奈良時代以降、人間の代わりに木の柱が生贄になっているのです。

昔は人柱は生贄でしたが、現代では自己犠牲ということになるでしょう。

 

もう一つ、人柱の有名な神話があります。

「日本武尊(やまとたけるのみこと)の妻である弟橘媛(おとたちばなひめ)は、付き従って船に乗っている時、波が荒れて船が沈みそうになった時、「賤しい私めが身代わりに海に入りましょう。」といって、海に入ります。すると暴風は止み、船は無事に岸にたどり着きました。」

というものです。日本武尊の日本統一のために、入水自殺をしてしまった妻の話です。

日本の文化のひとつとして人柱、生贄というものが根付いているのです。

まとめ

新海監督は、視聴者が作品で知っておくべきことは描きますが、知らないほうが想像をかき立てる効果を大切にするため、伏線的に登場するシーンで未回収なものもあります。

帆高が拾った銃はなぜごみ箱にあったのかとか、圭介はなぜ帆高と同じフェリーに乗り合わせていたのか、など、振り返ってみるとけっこう重要そうなことも伏せられたままであったりします。

また、須賀や凪の細かい裏設定にも創造の余地を多く残しており、須賀の妻について想像させる重要なものや、凪で遊び心を発揮する設定などもあります。

「天気の子」は思春期の男女のお話なのですが、背景には日本古来の生贄や人柱の文化もあり、よく考えると神話の怖い部分を題材としてもいます。

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