カリオストロの城の指輪の言葉や紋章の謎を考察!地下迷宮の壁の文字や骸骨についても!

「ルパン三世 カリオストロの城」は、1979年12月に公開された宮崎駿のはじめての監督映画作品です。

興行収入は、約6億円で、日本公開から40年後の2019年には、フランスでも上映されました。

今回は、カリオストロの城の指輪の言葉や紋章の謎について考察します。

また、地下迷宮の壁の文字や骸骨についても紹介していきます。

カリオストロの城の指輪の言葉や紋章の謎について

カリオストロ家に伝わる指輪は金の指輪と銀の指輪で対になっており、カリオストロ公国の財宝のありかを示す鍵となっていました。

指輪に彫られている紋章の山羊は、カリオストロ家の紋章です。

またこの指輪には、ゴート文字が書かれており、それを解読する必要がありました。

ちなみにゴート文字とは、古代のドイツあたりに住んでいたゴート族の文字です。

ゴート族は、4世紀頃からローマ帝国が国土を拡大する際に立ち向かった民族です。

またゴート族は、当時のローマ帝国に比べると文明が遅れており、蛮族と呼ばれていました。

 

しかし、ゴート族の勇敢な戦士たちは、ローマ帝国を苦しめるほどの勢力ももっていました。

ゴート文字の書かれた指輪がカリオストロ家のものであるということは、カリオストロ家がゴート族の子孫であることを示している可能性は大きいです。

そして、その指輪でローマ帝国の遺跡が出現するということは、ゴート族がローマ帝国に打ち勝った証として隠されていたのかもしれません。

指輪に書かれていた言葉は、「光と影、再び一つになりて蘇らん」とあり、これは金と銀の指輪がひとつになることを示していました。

 

クラリスは、言い伝えを思い出します。「光と影を結び時告ぐる。高き山羊の陽に向かいし、眼に我をおさめよ。」

これは、時計台の山羊の眼に指輪を入れる、ということを示す言葉でした。

最後に、カリオストロ伯爵が2つの指輪を奪って、時計台にはめると仕掛けが作動し、時計台の針が動き出すとともに、ダムの水がなくなり、ダム湖に沈んでいた古代ローマ遺跡が姿を現すのです。

 

ゴート族の子孫が受け継いだ指輪によって、敵であるローマ帝国の巨大な遺跡があらわれるというのは、歴史の皮肉のようにも感じます。

ローマ帝国の首都であるローマからより離れた場所であろうカリオストロ公国は、恐らく、蛮族であるゴート族に打ち負かされたローマ帝国の都市もあったでしょう。

このカリオストロ公国に隠されていた遺跡群もゴート族のうちでも優れた一族が知恵を使って受け継いできたものなのかもしれません。

 

滅ぼされた蛮族らの栄光をクラリス王女をとおして垣間見せているあたりは、宮崎駿監督の歴史に対する遊び心のようなものを感じます。

こういった滅びた王国や王族の運命といった歴史フィクションは、ナウシカやラピュタにも反映されていると思います。

また時計台の針は、罠にもなっていて、指輪をはめた伯爵本人を挟んで殺してしまいます。

これも本来は、ゴート族の末裔がローマ帝国の末裔を殺すために作った仕掛けだったのかもしれませんね。

地下迷宮の壁の文字や骸骨について

カリオストロの城の地下迷宮でルパンと銭形は、壁の文字を発見します。

文字を読むと「1904.3.14 日本國軍偵 河上源之助 ここに果つ 仇」と書かれていました。

1904年のこの時期は、日本は日露戦争をしていた時代です。

日露戦争では、日本軍の諜報部員はヨーロッパで様々な諜報活動をしていました。

河上源之助は、映画オリジナルの架空の人物ですが、日露戦争中の諜報活動の最中にカリオストロ公国に紛れ込み、ゴート札の謎を解いたところ殺されてしまい、このような文字を残したのでしょう。

そして、そこにあった骸骨は、河合源之助であろうことが想像されます。

その無念さが文字とともに伝わってきます。

 

ルパンは、映画の中で「中世以来、ヨーロッパで起きる紛争の裏側には、ゴート札あり」と言っています。

日露戦争時において、日本軍は、カリオストロ公国に河合源之助を派遣し、ゴート札によりロシアや親ロシア国家に対し、混乱を生じさせ、日本の勝利を勝ち取ろうとしていたことが考えられます。

そもそも当時、ドイツは親ロシア国家でした。

ドイツは、ゲルマン民族です。

そして、ゴート族というのは古代ゲルマン民族のことを言います。

つまりここでは、カリオストロ公国はゲルマン民族と考えると、カリオストロ公国は日本とは間接的に敵対していた国ということも考えられます。

 

日本軍の諜報機関が親ロシア国家であるカリオストロ公国のゴート札に目をつけてもおかしくありませんね。

そして、ゴート札によりカリオストロ公国やドイツ、ロシアの転覆を企図していたのです。

日本のために、彼はあと一歩のところで命を落としていたのでしょう。

だから銭形は、骸骨に対し念仏を唱えていたのです。

銭形は、60年前に日本軍が解き明かす寸前までいった偽札に別な形で迫ることになるのです。

まとめ

カリオストロの城の指輪は紋章である山羊をあしらった金と銀の対となっていました。

そこに書かれたゴート文字は、2つの指輪を時計台の山羊の眼にはめることによってカリオストロ公国の財宝が出現することを暗示していました。

地下迷宮には、1904年日露戦争中にカリオストロ城でゴート札の謎に迫ったであろう日本軍諜報員 河上源之助の文字が残されていました。

またそこには、河上源之助らしき骸骨が残されており、その無念さが伝わってきます。

これを見た銭形は、日本軍兵士の無念さと公国の闇の深さを強く認識し、「なんまんだぶ」と念仏を唱えています。

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