「猫の恩返し」は面白い?つまらない?感想評価まとめ!伝えたいことも解説

猫の恩返し2

引用元:スタジオジブリ

「猫の恩返し」は、スタジオジブリのアニメーション映画作品で、公開は、約20年前で2002年7月20日です。

監督は、森田宏幸で、出演者には、池脇千鶴、袴田吉彦、山田孝之、岡江久美子らがいます。

この作品は、スタジオジブリ作品である「耳をすませば」の主人公月島雫が書いた物語という設定になっており、スピンオフになります。

 

今回は「猫の恩返し」の感想について、面白いという意見、つまらないという意見、それぞれをまとめていきます。

また、「猫の恩返し」で伝えたいことについても解説します。

猫の恩返しは、繋がっている「耳をすませば」と見比べるともっと面白い!お子さんと見るのもオススメ!

 

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猫の恩返しをタダで見る方法!(耳をすませばなど他のジブリ作品も)

「猫の恩返し」は 面白い、という感想評価まとめ

ストーリーは、メルヘンチックでおもしろいです。ただ「テレビで見てちょうどよい」ぐらいかな。映画館で見るほどではないかもしれないです。

最後、元の世界に戻るところは「千と千尋の神隠し」にも似たエンディングです。

「千と千尋の神隠し」ほどヒットしなかった理由には、キャラクターの描き方に理由があるのかなと思っています。

特に絵のタッチがやはり宮崎駿監督のほうがよいということでしょうか。

 

とはいえ、ストーリーは、子供が見ても大人が見ても楽しめる内容になっています。

キャラクターもハル、バロンをはじめ、ムタ、トトなど、それぞれのバックボーンもしっかりしていて深いところまで読み取るとおもしろいです。

そして、なによりも、猫の国に行って、少し成長したハルの経験や思いを考察することは、作品のだいご味でもあり、作者も望んだものでしょう。

話としては、たんたんとしていましたが、気楽にみるにはおもしろいです!

バロンやムタ、猫王などは魅力的なキャラクターとなっていて、子供目線ではわくわくする描き方がされています。子供と見るにはよい作品です。

また、「自分の時間を生きろ!」という強いメッセージ性も作品の中で貫かれています。

これを、猫や動物たちに言わせることで、人間に言わせるよりも深みが出ています。

 

映画という短い時間の中で、キャラクターの言葉に重みをもたせるためには、キャラクターの生きざまをまず伝えていかなければなりません。

例えば、イチローの言葉に重みがあるのには、イチローの偉業を我々が知っているという前提があるからなのです。

しかし、本作のキャラクターのゆるさ、というか弱さではなかなか伝わらない。そこに猫たちに語らせることによって、謎の動物が人間の言葉を話すことにより、言葉にギャップが生まれ、メッセージ性が強まるのです。

そういったことを考えてみるとこの作品は、子供向けにもとらえられがちですが、大人にとっても伝わるものがあります。

「猫の恩返し」は つまらないという感想まとめ

ほぼ子供映画なので、勘違いして大人が見るとつまらない傾向にあるようです。

設定自体に興味がもてないのは個人差があるとは思いますが、展開が少し粗くそれぞれの描写があまり魅力的でなかったかもしれません。

「耳をすませば」の雫がこれを書いていたと考えるとちょっと残念ですね。

 

映画は、小説と違って、視聴者の想像力をかきたてる力が小説などに比べると弱いです。

映像がすべてを語ってしまうからです。

実際、この映画は漫画が原作であることから、映画は漫画の絵の影響を受けざるを得ません。

とはいえ、映画としてのオリジナリティーを求めすぎたためか、また視聴者に想像力をかきたてさせるためかは分かりませんが、キャラクターを若干簡略化してしまっています。その結果、中途半端な作品となってしまったようです。

また、一方で、猫の国を描きすぎてしまっていたり、説明しすぎたりしている部分もあるのです。もう少し、謎の部分を残しつつ終わらせてしまうというほうが、よかったかもしれません。

猫の国が描かれる中で、「自分の時間を生きる」という概念が出てきましたが、この当たりは少し意味不明だったかもしれません。

猫を使って何かのメタファーを表現したかったのかもしれませんが、猫に人間そのもののような言葉をしゃべらせすぎてしまったため、どっちつかずな作品になってしまったのでしょう。

「自分の時間を生きる、自由を尊重する猫たちの世界。それは、人間の世界への皮肉もある。」ということをいうのであれば、もっと猫の世界を抽象的に描いてもよかったのでしょう。そうすれば、視聴者に多様な創造を提供できたかもしれません。

「猫の恩返し」で伝えたいこと

「猫の恩返し」のキャッチコピーは、「猫になっても、いいんじゃない?」です。

ジブリ作品では、伝えたいことがキャッチコピーになっていることが多々あります。

たとえば、「風の谷のナウシカ:少女の愛が奇跡を生んだ」

「天空の城ラピュタ:ある日少女が空から降ってきた、血沸き肉躍る冒険活劇」

「もののけ姫:生きろ」

「千と千尋の神隠し:トンネルのむこうは、不思議の町でした」などがあります。

 

そして「猫の恩返し」は、猫の国という異世界をハルに体験させ、それでどうなった?というお話です。

少女の異世界の体験は、「千と千尋と神隠し」に似ています。

そして、少年、少女時代というのは、様々な可能性を秘めていると同時に未熟で感受性も豊かです。

そういった世代に、常識や成功にとらわれない世界にも目を向けてみようということを伝えたいのです。

未熟であればこそ、伸びしろも大きく、可能性は無限大です。

ストレートに成長するのではなく、猫の国の迷路で迷い、王様の追手に悩み、そういう壁にぶつかりながら、成長することこそ、大切な時間となるのです。

猫の国前と猫の国後のハルの感情の動きや成長を伝えているのです。

まとめ

「猫の恩返しはつまらない。」という観点に関しては、「設定が意味不明である」「原作のほうが世界観が楽しめた」というアニメ化による弊害を感想として述べている人が少し見受けられました。

面白いという感想は、子供とみる分には、そしてテレビで見る分には、楽しめるといった感想が多めでした。

「猫の恩返し」が伝えたいことは、猫の国という異世界を体験して、無駄な体験のように考えられがちなファンタジー体験は、思春期にある子供らにはかけがえのない体験であり、ハルも大人に一歩近づいたということです。

このような見方であらためて「猫の恩返し」を視聴されることをおすすめします。

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