「魔女の宅急便」は、1989年にスタジオジブリの4作目の作品として宮崎駿監督のもと制作されたアニメーション映画です。
原作は角野栄子さんの児童書で「母の友」に連載されていました。
そして「魔女の宅急便」は、「となりのトトロ」の翌年に公開され集客動員数260万人以上の大ヒットにもなりました。
今回は、島から街に修行に来た魔法使いのキキがほうきで飛べなくなってしまう理由について考察していきます。
また、再び飛べるようになった理由についても考察します。ネタバレを含みますのでご注意下さい。
タダで見る方法はこちら↓さっきまで子供と一緒に魔女の宅急便を観てました。自分が子供の時は面白いなーくらいの感想でしたが今見返すとキキの心の葛藤や親の気持ちがわかり過ぎて感動してしまいました。名作ってこういう事ね。
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「魔女の宅急便」でキキが飛べなくなった理由は恋なのか?それとも生理?
#ジジ の言葉が分からなくなり、魔法のちからが弱くなっていることに気付いた #キキ。ほうきで飛ぶこともできなくなってしまい、何とかして飛べるように練習していたのですが、うまくいかずほうきが折れてしまいます😞初めての挫折が強く印象を残すシーンです#魔女の宅急便 #ジブリ #宮崎駿 #金ロー pic.twitter.com/Xe2UjamE4w
— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) March 27, 2020
キキはある日を境にほうきで空を飛べなくなりますが、物語の中で彼女に起こった変化を見ることによりその理由を考察できます。
キキは、ソノのパン屋さんで宅急便屋さんを開業しますが、落とし物をしたり老婦人の孫娘にパイを届けた時に「パイは嫌いなの。」と冷たい言葉をかけられたりします。
新しい街でショックなことが続いたことによりメンタルダウンがおこります。
特に多感な時期なので、些細なことが心に大きく影響を及ぼします。
魔法というのは、念じたり呪文を唱えたりします。
ただ、言葉を発するだけではなく、念じることに意味があります。
念じるというのは集中力が必要ですから、気持ちがざわついていたりすると失敗します。
またキキは、この頃トンボと出会って、初恋(のようなもの)を経験しています。
故郷では、抱いたことのないはじめての気持ちです。
なんだかわからないドキドキする気持ちです。
キキは、トンボの人力飛行機に対する熱意に惹かれて、恋をしてしまいます。
これもやはり、メンタルへの影響は大きいですよね。
なんだかわからないトンボへの気持ちがやはり集中力発揮の邪魔をしていたのです。
そして、もうひとつ魔力を失った隠れた原因があります。
映画の中で見て取るのは難しいのですが、宮崎監督が「女の子ならわかる理由で飛べなくなった。」と後日語っていることから、キキは、「生理」になっていたのです。
13歳という年齢はちょうど初潮を迎える年齢であり、知識があっても衝撃の体験となります。
肉体的なものももちろん精神的に不安定になるのは個人差こそあれ女性なら経験のあることでしょう。
映画では、単純にほうきで飛べなくなったというストーリーが流れますが、ここでは成長とは苦しみを伴うものである、という成長の過程における苦しみのメタファーとして「落とし物」、「パイ」、「トンボ」、「生理」が登場しているのです。
「千と千尋の神隠し」における千尋の試練(両親との別れ、湯屋での修行など)と同じといえるでしょう。
宮崎監督は2時間という短い時間の中で、人間の成長を描ききります。
それは、未来を描くということなのでしょう。
とはいえ、なぜ飛べなくなったかなどと野暮なことは映画の中ではっきりとした理由を描かず、視聴者に想像させてくれるのが宮崎監督ならではですね。
キキはどうして飛べるようになったのか?
キキ「とべ!!」
友人 #トンボ を救いたい…その一心で #キキ が強い気持ちを込めて発するこの一言。それは彼女の成長の瞬間そのものなのかもしれません☺️#魔女の宅急便 #キキ #ジジ #ジブリ #宮崎駿 #金ロー pic.twitter.com/0FERvXygig
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一言でいうと、キキが自ら、飛べなくなった原因を克服したから飛べるようになったのです。
もちろん、トンボが飛行機に釣り下がってしまったことがスランプ脱出の大きなきっかけにはなっていますが、それは、ただのきっかけであって、この危機に際してスランプを克服できるに至ったのは、ほかでもないキキの修行の成果なのです。
もともとキキは、街へ魔法使いになるための修行に来ています。
それは、環境や心情や体調の変化は魔力の発揮にとても影響があり、それらを克服するための修行ということも意味しています。
しかも、多感な時期に環境の変化を与えることで、変化に対して順応していけるのです。
13歳というのはそういう年齢なのです。身体的にも精神的にも変化する年ごろなのです。
老婦人の孫娘の冷たい言葉にしても、キキが13歳でなければそこまで大きなショックを受けないのかもしれません。
一方で、13歳だからこそ、すぐにリフレッシュできたとも言えます。
誰でも考えすぎると物事がうまくいかないことがあります。
人間も歩いたり走ったり呼吸をするたびにいちいち歩き方や走り方呼吸の仕方を考えたりしないのです。
キキもこの出来事で無心に帰れて自信を取り戻したのです。これは成長の証でもあるのです。
トンボへの恋煩いの影響については、なかなか克服するのは難しいでしょう。
しかし、トンボが飛行機につり下がってしまい、キキがトンボを助けたい一心で無我夢中にデッキブラシに飛び乗ることにより恋のことなどどこかへ吹き飛び、スランプを脱しました。
恋を意識しない心境になったということです。
意識しすぎると心身ともに固くなりすぎて本来の力は出せないのです。
そして、生理もこの時には止まっていたのです。
心理的な衝撃もあったでしょうが、身体的な出来事でもありますからそれが止まれば、心身は安定します。
トンボが釣り下がったことと重なり、魔力が戻ったのです。
身の回りには解決できない問題は起こらない。
自分を信じて自分を取り戻しさえすれば、また、飛べるようになるのです。
まとめ
キキが突然飛べなくなった理由は、キキのメンタルが影響しています。
それは、宮崎駿監督の発言をくみ取ると生理が関係していると考えてよいと思います。
初潮のショックにより魔力を発揮できなくなったのです。
しかし数日で生理も終了し、キキの心身が充実したところで、トンボの危機が重なり、ポジティブな力が発揮されて、デッキブラシで再び飛ぶことができたのです。
飛べなくなった理由には、トンボとの恋も関係していそうな気もしますが、こちらも宮崎監督が「あれは、恋などというものではなく、親友のような関係である。」とも述べていますのでおそらく違いますね。
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