映画「風立ちぬ」のあらすじネタバレ!ラストシーンや菜穂子のセリフ「生きて」「来て」も考察!

「風立ちぬ」はスタジオジブリのアニメーション映画作品で、公開は約10年前で2013年7月20日です。

物語は実在する航空技術者の堀越二郎を主人公とした作品でありつつ、さらに堀辰雄の自伝的小説からも着想を得て作られています。

監督は宮崎駿で、出演者(声優)には、庵野秀明、西島秀俊、西村正彦、風間杜夫、竹下景子、大竹しのぶらそうそうたるメンバーがいます。

キャッチコピーは「生きねば。」です。主人公である堀越二郎役を「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明監督が担当したことでも話題となっています。

今回は「風立ちぬ」のあらすじネタバレ、ラストシーンを紹介していきます。

また、菜穂子のセリフ「生きて」「来て」についても考察していきます。

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「風手ちぬ」のあらすじネタバレ~ラストシーン

① 少年から大学生へ

主人公、堀越二郎は、真面目で正義感の強い少年でした。夢はパイロットになることでしたが、近眼であり目をよくするように努力していました。

 

ある日、ドイツの飛行機設計士で有名なカプローニの夢を見ます。

夢の中で飛行機に乗る二郎は、カプローニから「目が悪くても飛行機の設計はできますか?」とたずねます。

カプローニは、「私は飛行機の操縦はできないが設計はできる。」と勇気づける言葉を返してくれました。

 

二郎はそれ以来、設計士を志し青年となり、大学で設計の勉強をします。

東京の大学へ向かうとき二郎の帽子が風で飛ばされますが、それを里見菜穂子が拾ってくれます。

運命を感じる二郎でしたが、この時は何もありませんでした。

 

電車が東京へ到着すると同時に東京は大震災に襲われ、二郎は菜穂子と世話係の絹を発見します。

絹は足を骨折し歩くことができず、二郎は家に送り届けますが名乗らずにその場を去り、大学へと向かいます。

関東大震災の焼け跡が残る中、二郎は友人の本庄と黙々と勉学に打ち込みます。

ある日、不在中の二郎に荷物が届きます。

中には、二郎が絹を助けた時に応急処置として使用した用具が入っていました。

絹が届けに来たのだと思い追いかけますが、絹には会えませんでした。

② 現実

大学を卒業し設計士となった二郎は、三菱に就職します。

上司は黒川(西村正彦)で厳しい指導をされますが、二郎の熱意と才能は周りの目を驚かせます。

ある日、二郎は戦闘機「隼」のテスト飛行に同乗することになりますが、速度に耐えられず空中分解をします。

 

二郎は高性能な隼の設計に意欲を示しますが、三菱はユンカース社の爆撃機を作るこを知り、落胆します。

二郎はドイツに渡り、ドイツの圧倒的な技術力に驚嘆します。

ともに来ていた本庄は、日本の技術の遅れにいら立ちを隠せません。

二郎は、日本式のやり方で飛行機を作ることができないか思案します。

 

再び、二郎の夢の中にカプローニが現れ、対話します。

飛行機は戦争の道具になる運命を背負っていることを認識するとともに、美しい飛行機の設計に夢を燃やすのでした。

日本に戻った二郎は、新たな戦闘機の設計を任されます。

二郎は知識を生かし奮闘し、戦闘機を完成させます。

二郎はテスト飛行の離陸を見届けますが、空中分解して目の前で墜落してしまい、ショックで休養を取ることにします。

③再会

軽井沢のホテルで休養しているとき、パラソルが風で飛んできます。

二郎はパラソルをキャッチし、持ち主である女性に渡します。その女性は、震災の日に電車で出会った菜穂子でした。

 

翌日、二郎が散歩をしているとパラソルの女性と再会します。

交流していくうちに惹かれあう二人でした。二郎は菜穂子の父に婚約を許してもらえるよう頼みます。

しかし菜穂子は、結核を患っていたのです。

それでも2人は婚約を決意し、その後離れて暮らしながら、手紙のやり取りをしていきます。

 

二郎は仕事に復帰しますが、濡れ衣によって警察に目を付けられるため、黒川の家にかくまってもらいます。

その後、菜穂子の父から菜穂子の容態が悪化したことを告げられます。

二郎は東京へ向かい、菜穂子と抱き合います。しかしまた仕事に戻り、離れ離れとなります。

 

菜穂子は病気を治して、二郎と一緒に生きることを強く思い、高原の病院へ入院することにします。

二郎は飛行機の設計に精を出す一方、菜穂子は二郎が恋しくなり、病院を抜け出します。

二郎は菜穂子を強く抱きしめ、共に生きることを強く誓いました。

 

2人は、黒川の家でささやかな結婚式をあげ、夫婦となり大切に1日を生きていきます。

そこへ、二郎の妹で医者の卵である堀越加代があいさつに現れます。

加代は菜穂子の容態のひどいことに気づき、菜穂子を置いて仕事へ行く二郎を責めます。

しかし、二郎は菜穂子も仕事もどちらも捨てることはできないのでした。

④希望~ラストシーン

二郎の設計する新しい飛行機はテスト飛行にこぎつけます。

菜穂子はテスト飛行に向かう二郎と口づけをし、成功を祈ります。

しかし、菜穂子は死期が近いことを悟り、黒川の家に置手紙をして病院へ戻ります。それは病気で苦しむ姿を二郎に見せないためでした。

 

二郎はテスト飛行を見守ります。最高速度を記録しテスト飛行は成功に終わりました。

二郎が長年夢見た美しい戦闘機「零(ぜろ)」は完成したのです。

 

時がたち第二次世界大戦終戦を迎え、二郎は夢で再びカプローニと話します。

カプローニは二郎の飛行機の優秀さを讃えますが、二郎は、自分の飛行機が1機も帰ってこないことを悲しみます。

 

そこに菜穂子が現れ、「あなた、生きて」と声をかけました。

二郎は、その言葉にこれからも強く生きていくことを誓うのでした。

菜穂子のセリフ「生きて」「来て」とは

二郎が菜穂子と夢で再会する場面で、菜穂子は「あなた、生きて」というセリフを言います。

 

終戦とともに自分の美しい飛行機が、自分の魂が散っていったような無力感に襲われていた二郎にかけられた言葉でした。

 

このシーンは、もともとは二郎が亡くなる場面の設定で、死んだ菜穂子が「あなた、来て」と天国に迎え入れる言葉だったのです。

ここで興味深いのは、宮崎駿監督は「来世に来て」で、鈴木敏夫は「現世を生きて」という両極端な思考をしているということです。

そもそもこの2人の思考の違いは、簡単に言うと「天国」か「現世」かということです。

そして「天国」という思想は、西洋の死生観です。

しかし日本の死生観というのは、天国に行ってしまうのではなく、現世の近くで見守っているのです。

死んでもなお、そばに居続ける。まさに「私のお墓の前で泣かないでください」の世界なのです。

 

宮崎駿監督は、堀越二郎とか、堀辰雄とか、西洋の考え方とかをちゃんぽんして、オリジナル的なものを作り出すことに長けています。どことなく外連味を感じさせますね。

そこを鈴木敏夫は、「日本人」というものに焦点を置いて、「宮崎監督それは、違いますよ」と助言したのです。宮崎監督はどこまでもファンタジックな方なのですね。

その点鈴木敏夫は現実路線というかそもそも、堀越二郎や堀辰雄あるいは、実父へのオマージュ的な作品であるのであれば、やはり死生観は「日本人」的なものに寄せるほうが納得がいきます。

 

「きて」に「い」を入れるだけで、正反対の意味合いを持ってしまいますが、それを変えさせる、そしてそれを受け入れる鈴木さんと宮崎駿の関係性も興味深いものがあります。

この逸話から、鈴木敏夫さんの現実的で人を明るい方向へと向かわせる雰囲気を感じますし、宮崎駿監督からはファンタジックで内向的な雰囲気と、柔軟な思考を感じ取れます。

まとめ

風立ちぬは、宮崎駿監督の幼少期の思い出などをちりばめており、宮崎駿監督の人柄が偲ばれる作品になっています。

堀越二郎は実在の人物ですが、宮崎駿監督がアレンジして、菜穂子との恋や飛行機設計への夢を清々しく描いています。

ラストシーンの菜穂子のセリフには、鈴木敏夫と宮崎駿監督の人柄や死生観を表す逸話があって興味深いシーンになっています。

これらのシーンをもう一度確認するためにも、一度見た方も見ていない方も是非視聴することをお勧めします。

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