「こんな夜更けにバナナかよ」は、2018年12月に公開された映画です。
監督は前田哲さん、原作は渡辺一史さんで、筋ジストロフィーをかかえた北海道札幌市に在住していた鹿野靖明さんを取材したノンフィクション作品です。
原作は、第35回大宅壮一ノンフィクション賞、第25回講談社ノンフィクション賞を受賞しています。
映画は、鹿野靖明を大泉洋さんが、安堂美咲を高畑充希さんが、田中久を三浦春馬さんが演じています。
松竹から配給されており、興行収入は、11億円をあげています。
今回は、鹿野靖明は結婚をして嫁がいたけど離婚したこと、美咲は実在するのかについて調査します。
また、最後やボランティアの現在について調査します。
目次(各項目をタップすると、その項目に飛びます。)
鹿野靖明と嫁、離婚について
『こんな夜更けにバナナかよ』
幼い頃から難病で車椅子生活を送っていた主人公の涙と笑顔の実話。世界には自分の知らない物事が山程あるんだと教えてくれるような作品でした。大泉洋演じる主人公と周りで支えるボラの笑顔に思わずつられてしまいます。#映画好きと繋がりたい #映画好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/EOVCLtK9du— 慶應シネマプラザ公式 (@cinemaplaza_k) August 2, 2020
鹿野さんは多くのボランティアをかかえていましたが、決して介護されているという一方的な関係ではなく、ボランティアにも鹿野さんから多くのことを与えている、という相互的な関係が築かれていました。
ボランティアに対して、介護の現実を身をもって教えてくれていたのです。
そんな鹿野さんですが、27歳の時に結婚をしています。
映画にもある通り自分の気持ちにまっすぐな生き方をする方なので、相手の気持ちを考えつつも、自分の気持ちもストレートに伝えたのではないでしょうか。
そして、相手の女性はそれを受け入れたのです。
ただこの時、彼女の母親からは娘を騙さないでくれとお願いされたそうです。
子を持つ親の気持ちはわからないではありません。そもそも、30歳まで生きられるかわからないような難病を患っている相手ですから。
しかし、彼女も鹿野さんの人柄に魅かれての結婚だったのでしょう。
彼女は、鹿野さんを介護していたボランティアの女性でした。
結局、両親の反対を押し切る形で2人は、1987年に結婚をしています。
しかし2人の間に子供はできず、1992年ボランティアの別の男性と恋に落ちた奥さんは、鹿野と離婚をしています。鹿野さんは33歳でした。
美咲は実在するのか?最後はどうなった?
昨日の帰りに観た「こんな夜更けにバナナかよ」温かい映画でした☺️真っ直ぐに、全力で生きた鹿野さん。最初は本当に憎たらしい、でも美咲や彼の周りのボラの人達のように段々と愛おしくなってくる。ちゃんと声に出して伝えることの大切さ。助けを求める勇気🌱
週の真ん中、穏やかな1日を✨ pic.twitter.com/O0rfYEwc7f— 柚子 (@yuzu_ne8) January 8, 2019
結論から申し上げますと、安藤美咲は原作には登場しない、つまり実在しない架空のボランティアです。
しかし原作には、鹿野を取り巻く2人の実在女性が登場しています。
この2人のことや上記の結婚~離婚のエピソードをミックスして、安藤美咲という架空の女性を監督は描き上げたのではないでしょうか。
1人は、名前が公表されていませんがボランティアの核となるような存在だったようで、鹿野を全面的に支えてくれ相思相愛となった間柄でありました。結婚女性なのかもしれませんね。
そしてもう一人は、喜田弘美という看護士です。看護を受けるうちに好きになって、ラブレターを書いたり告白をしていますが、「ごめんなさい、と断られています。」ここは、映画のプロポーズシーンとダブります。
また、鹿野が好意を寄せたわけではありませんが、原作には遠藤貴子という当時北海道大学の学生ボランティアがいて、鹿野は秘書と呼んでいたそうです。
ボランティアの中心にいた人物です。
泊りで介護をしたりアイドルのような印象で大学卒業後教員になった、といったことから、美咲のイメージと重なる部分があります。
このように、鹿野のまわりにいた女性の印象をところどころとったものが美咲となっているようです。
映画では、美咲に対して鹿野がプロポーズをしますが、美咲からは「ごめんなさい」と断られます。
その後鹿野は、美咲の好きだった人が田中と知り2人を仲直りさせます。
美咲はその後教員に、田中は医者になり、結婚をしています。
ボランティアの現在
渡辺一史著「こんな夜更けにバナナかよ」筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち読み終えました。
良かったです。
感銘しました。
心の奥にずっしりきました! pic.twitter.com/kNiwEzKjUo— pony (@pony3113) January 28, 2019
鹿野のボランティアは、500人近くいたという話ですが、現在はどうしているのでしょうか?
その一人の山内さんは、現在、路上生活者の支援をしています。
鹿野さんとの出会いは、大学在学中の頃です。
鹿野さんのボランティアに行くということは「いいことをする。」という気持ちでいました。
ある日、山内さんがタバコを吸っていると、鹿野さんが「自分にも吸わせろ」と言ってきました。
「体に悪いから」と人工呼吸器をつけた鹿野さんに言うと、鹿野さんは「なぜ、俺だけすっちゃいけないのか」「お前、ボランティアで、いい人になろうと思ってきているだろ。」と言われ、ハッとなります。
自分の、偽善的な心を見透かされたようだったからです。
役に立ちに来た、ちゃんとしたことをしに来た、みたいな気持ちでいたら、カウンターパンチを食らったような気持ちになったのです。
要は山内さんは、鹿野さんと話していると、「上から目線じゃないか」とか自分のなかの卑しい部分を見せられているようになるのでした。
現在、山内さんは「路上生活者の支援で路上生活者と対等の立場で向き合えている、そして、自分を客観視できている、それは、鹿野さんとの経験があったからこそ。」と言っています。
こちらが支援しているだけではない、自分も何かを与えられているという気持ちになるそうです。
鹿野さんは、いち障害者というだけでなく、多くのボランティアにボランティアとしてではなく、人間として人間と付き合っていくことの大切さを伝えたのです。
まとめ
鹿野靖明は、ボランティアの一人の女性と27歳の時に結婚をしていますが、両親の猛反対を押し切っての結婚でした。
しかし33歳の時に、奥さんがボランティアの一人と恋に落ちてしまい、離婚をしています。
美咲は、実在はしていませんでした。
しかし、原作に登場する数名の鹿野を取り巻く女性とのエピソードをミックスして美咲という女性を映画に登場させています。
最後は、美咲は鹿野のプロポーズを断りますが、再び鹿野のはからいで田中とよりをもどし、2人は結婚をします。
そして、美咲は小学校の先生に、田中は、医者になっています。
鹿野さんのボランティアのは500人近くいましたが、鹿野さんの伝えたボランティア精神は、現在も多くの人に受け継がれています。
それは、障害者であれボランティアであれ人は人と対等に向き合うということなのでした。
鹿野さんの気持ちのいい生き様を描いた「こんな夜更けにバナナかよ」はHuluの2週間無料お試しで視聴可能です。
鹿野さんがどんな方だったのか素敵に描かれているのでぜひご覧ください。
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