「権力者と民衆の対決から生まれる猛烈なエネルギー」「レミゼじゃないレミゼ」と呼ばれる映画「レ・ミゼラブル」が公開間近です。
これまでの権力VS民衆といった点は共通していながら、よりリアルで現代的課題を映し出した本作となっています。
アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート、カンヌ国際映画祭審査員賞受賞、セザール賞12部門ノミネートした本作とは──。
「レ・ミゼラブル」のキャストやあらすじネタバレ、評価口コミや感想、や主題歌などについてご紹介していきます。
目次(各項目をタップすると、その項目に飛びます。)
映画「レ・ミゼラブル」の作品情報や概要
https://www.instagram.com/p/B5Fi70gouFe/?utm_source=ig_web_copy_link- 作品名: レ・ミゼラブル
- 公開日: 2020年2月28日
- 監督: ラジ・リ
- 脚本: ラジ・リ、ジョルダーノ・ジェデルリーニ 、アレクシス・マネンティ
- 音楽: ピンク・ノイズ
作品概要:
ヴィクトル・ユゴーが1862年に執筆した『レ・ミゼラブル』の舞台となったモンフェルメイユは、現在でも多人種が入り交じる、格差社会や権力がはびこった世界です。
まさに「現代版レ・ミゼラブル」との言うべき作品の監督・脚本は、同舞台出身のラジ・リ。
自身の体験から描かれた本作は、まさに現代のフランス社会にも存在する「民衆と権力の闘争」を描き出しており、カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したり、アカデミー賞にノミネートされたりしています。
映画「レ・ミゼラブル」のキャスト
ステファン(演:ダミアン・ボナール)
https://www.instagram.com/p/B8N6Yw0AIjz/?utm_source=ig_web_copy_linkステファンはモンフェルメイユに初めて勤務する警察官です。
この地域の警察官の立ち位置も知らず配属になりましたが、そこでは権力を振りかざしている同僚や上司の姿が。
明らかに民衆は警察官のことを敵対視しており、反発心を抱いています。
そこでステファンが取った行動とは──。
主人公ステファンを演じるのは『垂直のまま』で主人公レオを演じ、リュミエール賞最優秀若手男優賞を受賞したダミアン・ボナールです。
また、『トラブル・ウィズ・ユー』ではルイ役を演じて、セザール賞助演男優賞にもノミネートされました。
本作でも2020年セザール賞において主演男優賞にノミネートされています。
- 生年:1978年7月22日
- 出身:フランス
- デビュー作:La Mort de Philippe Sella
- 代表作:垂直のまま、ダンケルク、トラブル・ウィズ・ユー
クリス(演:アレクシス・マネンティ)
ステファンの上司として、地域パトロールを行う警察官です。
しかし、民衆の犯罪行為に対する過激なやり方や権力の振りかざし方が仇となり、ステファンに疑念を抱かれます。
民衆と権力が激しく対立する地域の、権力側を象徴する人物です。
クリスを演じるのは『友よ、さらばと言おう』や『ザ・ミスト』に出演している、アレクシス・マネンティ。
本作では脚本としても力を発揮しているようです。
もともとラジ・リとは古い付き合いで、監督が立ち上げたアーティスト集団「Kourtrajme」にも参加しています。
生年:1980~90年代(詳細は不明)
出身:フランス
デビュー作:ロマン
代表作:孤児のアルノー、ザ・ミスト、レ・ミゼラブル
グワダ(演:ジェブリル・ゾンガ)
https://www.instagram.com/p/B7wesfPHlF3/?utm_source=ig_web_copy_linkステファンの同僚で、上司はクリス。
基本的に外出するときはステファン、クリス、グワダの三人でパトロールしており、住民や子どもから怒りを買うことに慣れている様子。
ステファンに対して10年間で培った、この街で警察を長く続けるための知恵を授けつつ、その知恵に対して疑念を抱き続けてもいます。
グワダを演じるジェブリル・ゾンガは俳優だけでなく、モデルやプロデューサーとしての顔も持っています。
本作の制作が決まってすぐに、監督であるラジ・リに連絡して出演が決まりました。
本作に対する熱い思いからの演技に注目です。
- 生年:未詳
- 出身:フランス
- デビュー作:C’est tout pour moi
- 代表作:レ・ミゼラブル
映画「レ・ミゼラブル」の予告編動画
「レ・ミゼラブル」と聞くとミュージカルのイメージがありますよね。
ミュージカルのイメージとはかけ離れた、アクションや犯罪・権力の映像に「映画間違えたか?」という気持ちになります。
貧困、差別、人種、犯罪、格差、宗教…
予告動画を見ても分かるように、本作は現代のリアルなフランス社会の一部を映し出した作品です。
(警察官側の)「ここは俺たちの街だ」「俺が法律だ」
という言葉が権力側の様子を克明に映し出しています。
その言葉に対して、マフィアや住民たちの反発も存在しており、まさに民衆VS国家権力の構想が生み出されています。
この世界観はユーゴー作「レ・ミゼラブル」と共通している点です。
果たして権力どうしの戦いにどのような終止符が打たれるのか。
衝撃の結末、ラスト30分には目が離せないという情報が多数入っています。
映画「レ・ミゼラブル」のあらすじネタバレ
https://www.instagram.com/p/ByKe045AhCH/?utm_source=ig_web_copy_link権力への闘争を描いたヴィクトル・ユーゴー著「レ・ミゼラブル」の舞台モンフェルメイユは、貧困、人種、差別、宗教、格差社会といった世界の縮図を表す街となっています。
その街に新しく警官として赴任した、主人公ステファンは上司クリスや同僚グワダのやり方に衝撃を受けました。
彼らの捜査のやり方は過激で、もはや権力の乱用とも取れる状況に、ステファンは悩み続けます。
一方住民も社会や権力に対して悲しみや怒りを持っており、警察官の捜査活動に対して子どもでさえも捜査を妨害するほどです。
ある日サーカス団からライオン子どもが盗まれます。
盗んだ犯人は黒人だ、ということでスラムの黒人リーダーがサーカスを率いるリーダーに問い詰められ、一触即発の雰囲気が漂いました。
そこで、警官が間に割って入り、捜査を進めるとイッサという少年がライオンを盗んだということが分かります。
イッサを追い詰めて事件終了かと思いきや、事件は予想もしない方向へと進展し、さらに事件が事件を呼ぶ結果となり、衝撃の結末へと向かいます──。
映画「レ・ミゼラブル」の評価口コミや感想
アカデミー国際長編映画賞にノミネートされた中で、カンヌ審査員賞の仏映画『#レ・ミゼラブル』も実はすごい。
分断を描いた意味では『ジョーカー』『パラサイト』と並びますが、異なるタッチで、かつ「もう、どうしたらいいのか」と天を仰ぐ感が強いです。
日本で28日公開。https://t.co/jk1MAZKhIo— Erika Toh (藤えりか) (@erika_asahi) February 10, 2020
フランスの外国人記者による映画賞リュミエール賞が発表!#ラジ・リ 監督の「#レ・ミゼラブル 」 が作品賞、脚本賞、新人男優賞の3冠!監督賞はベネチア映画祭で審査員大賞を受賞した「#AnOfficerandaSpy」の #ロマン・ポランスキー pic.twitter.com/O5R54t0ZQq
— 立田敦子 (@atsukotatsuta) January 29, 2020
映画「レ・ミゼラブル」の主題歌の動画
主題歌を検索してみましたが、詳細については明示されていませんでした。
確実に言えることは、これまでもフランスを中心に犯罪や権力がはびこる社会を映し出す作品を多く手がけたラジ・リの作品には、ミュージカル版「レ・ミゼラブル」のような曲は使われていない、ということです。
おそらく本作にも、ミュージカルやオペラの雰囲気は一掃されていると思われます。
だからこそ「レ・ミゼラブルじゃないレ・ミゼラブル」と呼ばれているのです。
映画「レ・ミゼラブル」の見所
超有名小説やそれを元にした超有名舞台、映画と同じ題名で映画を作った本作が、なぜカンヌ国際映画祭審査員賞やアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたのか、そこに本作の見所が隠されています。
本来「レ・ミゼラブル」は美しい歌や踊り、そして時代に翻弄される中での奥深い人間愛や権力との闘争が注目されてきた作品です。
しかし、本作品は権力との闘争という共通点はありながらも、貧困や犯罪、宗教問題や格差といった、美しさとは対極の位置にある世界が舞台となっています。
「レ・ミゼラブル」としては同じ舞台でありながらも、全く逆の世界観であり、むしろ本作の方がリアルに近いという点で、これまでの「レ・ミゼラブル」とは違った「レ・ミゼラブル」なのです。
リアルを感じるのは、本当にあった事件であることが要因です。
監督のラジ・リは本作舞台のモンフェルメイユ出身で、ストーリー中のワールドカップ勝利の歓喜、ドローン事件、盗まれたライオン、新しい警官はすべて監督本人が経験してきたことだと語ります。
もともとドキュメンタリー作品を多く手がけてきたラジ・リなので、作品がノンフィクションである点で、リアル感が増すのは当然です。
だからこそ、現在のモンフェルメイユの現状を伝える上で、これ以上ない作品に仕上がりました。
フランス大統領が本作を見て、「この地域の状況を直ちに調査・改善せよ」と指令を出したほどです。
そんな社会に向けたメッセージが詰まった点が本作の大きな魅力であることは、間違いありません。
まとめ
「レ・ミゼラブル」のキャストやあらすじ、評価口コミや感想、や主題歌などについてご紹介してきました。
新人警官が配属された、モンフェルメイユは住民、国家権力、マフィアといったさまざまな権力が互いにしのぎを削り合う社会です。
その権力闘争は本当に実在するものであり、だからこそ観る人を考えさせる作品となっています。
果たして、権力闘争の果てにある「衝撃の結末」とは一体何なのか。
「レ・ミゼラブルじゃないレ・ミゼラブル」と言われるゆえんは、映画館で確認してみましょう。
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