「君の膵臓を食べたい」は2015年の住野よるさんの原作です。2017年に実写映画化、2018年にはアニメ映画化されて、話題となりました。
「僕」と山内桜良の2人のクラスメイトによる純情で切ないストーリーです。
映画でも原作でもほとんど僕は、「僕」で通されていて、なかなか本名が出てきません。
これは、作者のなにか意図があるのではないかと、調べてみることにしました。
また、「僕」は桜良からは色々な呼ばれ方をしていますが、どんどん変化していきます。変化するのにも理由があるようなので説明します。
目次(各項目をタップすると、その項目に飛びます。)
君の膵臓をたべたいの「僕」の名前は?
『君の膵臓を食べたい』
あざと可愛いの権化こと浜辺美波は勿論最強だが北村匠海が凄い
めっちゃイケメンなのに滲み出るボンクラ臭は『サヨナラまでの30分』に近いし泣き演技が良かった
予告でてっきり別人だと思ってた小栗旬がまさかの同一人物だったのはなんか笑えた
確かに小栗旬のボンクラ感も良い pic.twitter.com/A1R5tEntnQ— クオン (@baiken0815) August 26, 2020
「僕」の名前は特に原作を読んでみるとものすごく気になります。山内桜良の名前や他の登場人物の名前は出てくるのに、どうして、「僕」は「僕」とか、他のあだ名でしか出てこないのだろうか、と。
しかし、原作の後半、「僕」の名前が明かされるシーンがありました。
原作を読んでみると、ずーっと本名が出てきません。誰でも、なんでだろう?となりますよね。
そして、原作では、一度だけ本名が出てくるのですが、それは、最後に桜良のお母さんと話すときに
「そうだ、君の名前は何?」と聞かれて、「春樹です。志賀春樹といいます。」
と答えるシーンです。映画ではそこまで感じませんが、活字だけの原作だと、この「僕」が気になるのです。
「僕」の名前が伏せられている理由とは?
君の膵臓を食べたい
命は儚い。その人の本音はその人にしかわからないから、もっと優しく人に接しよう。恋人でも友達でもない貴方になりたいから、私は貴方の腎臓を食べたい。#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/CooXSCdpJ0— 小春ちゃん (@KOHAKOHA08) February 20, 2021
これは、志賀春樹こと「僕」が山内桜良から言われたひと言に理由が隠されています。
「君は名前を呼ばれたときに、周りの人が自分をどう思っているか想像するのが趣味だね」
つまり、本当は、「僕」はみんなから「志賀くん」とか「春樹くん」と呼ばれているはずなんですが、「僕」という視点から書かれた小説だから、あえて、その「僕」を呼ばれ方(名前を呼ばれた時の感じ方)に重点を置いた演出を行っているのです。
「僕」が名前を呼ばれたときに、周りの人が自分をどう思っているか想像した呼ばれ方が、原作や映画のなかで「〇〇君」などという呼び方になっているのです。
なので、「地味なクラスメイトくん」と桜良から呼ばれた時も、きっと志賀くん、と呼ばれたと思うのですが、作中では、僕がこういう風に思われている、と思った呼ばれ方に変換されているのです。
桜良からの「僕」の呼ばれ方の変化
🌟君の膵臓をたべたい🌟
今夜9時から放送されるんだね🎵
何回も泣いたけど夜勤なので録画
します🎵浜辺美波ちゃん💕可愛い😊 pic.twitter.com/CBcCAiwMxM— ローラ (@OU43cO4nBhdIhQF) September 4, 2020
最初、「僕」は、桜良から「地味なクラスメイトくん」などと呼ばれます。かなりひどい言われようです。しかし、これは、ある意味妄想で、「僕は地味だから、、、」と自分のイメージが反映されているのです。ある部分ファンタジーの映画なのです。
それから「根暗そうなクラスメイトくん」とも呼ばれています。こんな、呼ばれ方をしたら絶対に仲良くなりたくないですよね。でも、これも妄想なのです。
しかし、あることで、桜良の秘密を知った「僕」は「秘密を知っているクラスメイトくん」に変わります。これは、なかなかうれしいですよね。とても親密な関係に感じます。これも、僕は、どことなく、桜良と特別な関係になったことをポジティブにとらえ始めた表れなのです。
そして、「仲のいいクラスメイトくん」になり、「仲良しくん」に変化していきます。
あんなかわいい子を「仲良し」と思えるようになった「僕」は成長しています。
時には「ひどいクラスメイトくん」もあります。
2人はお泊まり旅行に行ったり、桜良の家でハグをしたり、恋人のような関係になっていきます。
最後は、「注目のクラスメイトくん」という呼ばれ方になっています。
いままで、目立たない、地味で、冴えないと思っていた自分のことを「注目の」と呼ぶところは、自他ともに、噂の恋人のように思っていたのだと思います。
でも、余命少ない桜良との関係を恋人とか友人といった月並みな呼び方にはできなかったのだと思います。
友人でも恋人でもない、特別な「注目の」関係、それは、自分の中いつまでも生き続けていてほしいという切なる願いの表れでもあったのだと思います。
この「僕」の呼ばれ方の演出で、「僕」の心の変化を印象付ける効果が出ています。映画だと、表情や動きがあるので、そこまで感じませんが、文字だけの原作だと、その効果が如実に現れます。
まとめ
実写映画では、「僕」を北村匠海さん(学生時代)と小栗旬さん(大人時代)を演じていて、山内桜良を浜辺美波さんが演じています。イケメンと若手美人女優ですね。
原作もいいけれど、キャスティングもよいので人気がでるのもわかります。
「僕」の呼ばれ方には、志賀春樹の心の動きが大きく影響しているということを説明しましたが、もうひとつ、「君の膵臓を食べたい」は星の王子様という小説の影響を大きく受けています。
作中でも桜良が「僕」に貸してくれる本です。作者の住野よるさんがはじめて買ってもらった本が星の王子様だそうです。おそらく思い入れの強い本なのでしょう。
大切なものは目に見えない、心で探さなくちゃ、という星の王子様の言葉が映画の背景には流れています。
そして、この星の王子様もやはり「僕」という一人称で物語がすすむのです。
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